日本語に秘められた真理を探究する

2021年1月1日

ことは(光透波)への誘い
 私達は言葉で考え、言葉で思い、言葉で意識を高め、そして互いにコミュニケーションをとって生きています。そのように重大な言葉というものについて考えたことがあるでしょか?多くの人達は「人間は頭が良いから言葉や文字を造りだしたのだ・・・」と考え、言葉を道具の一つのように錯覚し軽く受け止めているようですが、果たしてどうでしょうか?

言葉について考える
 色彩鮮やかな美しい絵、そしてメルヘンチックなうちに自然の大切さや、豊かで純真な人の心を描いた動画作品を数々生み出した宮崎駿の作品の一つに「もののけ姫」があります。そのヒロイン、サンは大きな山犬に育てられた野性味あふれる猛々しい美少女として描かれて大活躍する。その迫真の大きなスケールの長編アニメ映画に多くの観客は感動し魅了されました。
 その「もののけ姫・サン」は山犬に育てられたにも拘らず、ストーリーは人の言葉をしゃべって展開しています。山犬に育てられた人間が言葉をしゃべるはずはないのですが・・・。

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 このような人間が動物に育てられた話に、1920年代にインドのベンガル州で発見されたアマラとカマラの二人のオオカミ少女の実話?があります。アマラは生後1年6か月、カマラは8歳と推定され、保護後に手厚く育てられたがアマラは程なく死に、カマラは9年近く生きたが、言葉もろくに覚えられず人間として適応できないうちに亡くなってしまったという話です。このオオカミ少女の話は現代では信憑性が無いと否定されているようですが、アメリカでは一時期実話として「人は愛情あふれる言葉によって育まれなければ言葉を覚えず健全に育たない」事例として教科書にも掲載されていたそうです。 

 言葉が人間にとって如何に大切なものであるか?それを証明する実験が行われていたので紹介いたしましょう。
 それは捨て子が沢山いたという中世のドイツで、フリードリッヒ大王が行った実験でした。子供がどのように言葉を覚えるのか知るために、乳児の捨て子を集め、全員に暖かい部屋、暖かい衣服、暖かい食事を与え、2グループに分けて行われたそうです。
  A:(物を扱うように)児に言葉をかけないグループ
  B:(母のように)優しい言葉をかけるグループ
 3年後、Bグループの赤児は普通に育っていったのですが、Aグループの子供たちは全く言葉を話すことが出来ず、その上に全員数年後に死亡したそうです。この実験によって私達が想像する以上に、小さな子供にとって「言葉」掛けが食べ物や衣服よりも生きる上で重大な要素であることを知ることができるのです。     (つづく)